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オフセットとオンデマンドの違い【超カンタン!印刷なるほど講座】

オフセットやオンデマンドって、単語そのものは聞いた事があるけど、実は詳しい事はよく知らない
印刷サイズや印刷所は決まっているのに、オフセットとオンデマンドをどういう基準で選べばいいのか分からない。
そんな風にお悩みの方は、こちらの記事でさくっと解決しちゃいましょう!

同じ内容の動画をYouTubeに投稿しているので、
音声として学習したい方は下記のリンクを。文字情報で知りたい方はこちらの記事をご活用ください!







オフセット とは?

私達の身の回りにある印刷物の大半は
・シアン(Cyan)
・マゼンタ(Magenta)
・イエロー(Yellow)
・キープレート(Key plate)
の4色で表現されていて、オフセットという印刷技法では、この4色それぞれに一つずつ版を用意する必要があります。

仕組みはちょっと違いますが、消しゴム判子のような役割の物です。
版は薄いアルミ板でできていて、インクのつく部分・つかない部分で構成されています。

印刷時にはこのアルミ版をぐるっと円柱状に丸めて表面にインクを流し、そのインクを一度柔らかなゴム板へと移します。
ゴム板から更に紙へとスタンプのようにインクを乗せる事で、1色分の印刷が完了します。
CMYK4色を使うフルカラー印刷の場合、この工程が合計4回、という事ですね。

こうしてインクを乗せた後は、インクが完全に乾くのを待つ時間が必要です。

アルミ版からゴム板へとインクを離す事を「オフ」。
ゴム板から紙にインクをつける事を「セット」と呼ぶので、
合わせて「オフセット」と呼ぶそうです。

離して(オフ)、付ける(セット)。
言葉の由来がわかっていても、なんだかちょっと覚えづらい専門用語ですね。

ちなみに、アルミ版から紙へと直接インクを乗せず一度ゴム板を挟むのは、印刷の圧力で版が傷んでいくのを防ぐ為だそう。
印刷とは、非常に繊細な技術なんですね。



オンデマンド とは?

オンデマンド印刷でもオフセット印刷同様、CMYKの4色で様々な色を表現していますが、こちらは一色毎に版を作る必要がありません。

入稿データが送られた印刷機器は色の配分を自分で判断し、4色を使いこなしてフルカラーで紙の端から少しずつ完成させていきます。
印刷が完了したらまた新たなデータを分析し直し、同じ要領で印刷していきます。
印刷風景としては、ちょっと家庭用プリンターに似ていますね。

実際、性能やスピード、お値段や大きさが格段にパワーアップされたカラープリンター、といった位置付けだと考えてください。

「家庭用プリンター」と一言に言っても、私達が日頃目にするプリンターには、
液状インクを使う「インクジェット方式」、
着色済の粉を使う「トナー方式」といった種類がありますが、
実はオンデマンドも、これといった印刷方法が決まっている訳ではないんです。

「オンデマンド」という言葉はそもそも、
「必要な物を、必要なだけ、必要な時に提供する」
という意味を表しており、印刷技法は関係ないのだそう。

1枚印刷するだけでも様々な作業工程が必要なオフセットに比べて、
少部数でも低コストでスピーディに対応できますよ、
という宣伝方針に基づいた用語のようですね。

現在はトナー印刷が主流ですが、印刷する媒体や用途などに合わせ、印刷会社さんは様々な印刷機を使い分けているようです。



トナー印刷の工程

ちなみに、現在の主流であるトナー印刷の工程はこちら。

まずは、金属の円柱ドラムに静電気を発生させ、磁力を使ってトナーをくっつけます。
ドラムが回転し、紙とトナーが隣り合った時、紙の下から更に強力な磁力を発生させて、紙の上へと暫定的にトナーを乗せます。
最終的には熱と圧力でトナーを溶かし、紙へとしっかり固定させる、という流れです。

印刷前に版を作る必要も、印刷後にインクが乾くのを待つ必要もないので、低コストでスピーディな出荷が可能になる、という事ですね。



オフセットとオンデマンド、どっちが安い?

単純に「こちらの方が安いですよ!」と断言できればいいんですが、どちらがお得になるのかは、印刷部数の『量』によって変わってくるんです。



少部数の時はオンデマンド印刷がお得!

1部〜100部ほどの少部数で印刷したい、という時にお得なのは、
オンデマンド印刷です!

オンデマンドでは版を用意する必要がありませんし、印刷を始めるまでの様々な調整作業も少ないので、初期コストがかかりません。
「1部あたり○円」、といったような単純計算で値段が上がっていき、印刷部数も5部、10部など、細かく指定しやすい点が非常に便利です。

「オンデマンド」という言葉が意味する
「必要な物を、必要な量だけ提供する」
をまさに体現している訳ですね。

「個人で使うので大量に印刷しても困ってしまう…。」
「在庫を抱えて置き場所に困りたくない!」
という方にはおすすめです!

運送業務で例えるなら、ちょっとしたサイズの荷物を素早く届けてくれる、バイク便のような存在でしょうか。

ただ、印刷処理が1部ごとに行われるオンデマンド印刷は、大量生産向きではありません。
部数が多いとかえって割高になってしまう場合もありますので、注意してくださいね。



大部数の時はオフセット印刷がお得!

一方、数百、数千以上の大部数を得意としているのが
オフセット印刷!

少部数の時にオフセット印刷を利用すると、版の作成や試し刷りなどの初期コストが割高になってしまうので、お財布にとっては少し厳しいお値段に。
印刷部数も最低100部からの受付だったり、注文単位も大きく区切られていたりと、数については細かく指定のできない場合が多いです。

しかし元々は、新聞紙やチラシなどを大量に印刷する為に開発された技術。
版さえ作ってしまえば、お値段をちょっとプラスするだけで印刷部数を大幅に増やす事ができるんです。

発車するまでには時間やコストが色々とかかってしまうけれど、その分沢山の荷物を一度に運んでくれる、大型トラックのような存在と言えるでしょうか。

オフセットの印刷風景を動画サイトで公開している印刷会社さんもありますので、是非一度、その圧倒的スピードを実感してみてくださいね。



オンデマンド、オフセットの価格比較

オンデマンド、オフセットそれぞれの金額グラフのイメージを重ねると、こんな感じになります。
印刷する部数の大小でどちらがお得になるのか、簡単に覚えておくと便利かと思います!



オフセットとオンデマンド、どっちが綺麗?

「お値段の違いは確かに避けられない問題だけど、しょ少々高くついてもいい。頑張って作った入稿データだから、とにかく綺麗に印刷したい!」

という、印刷クオリティにこだわる方には
オフセット印刷がおすすめです!

現在オンデマンド印刷で主流とされているトナーは、粉であるため一つ一つの粒子が大きく、しかも最終的に熱で溶けて潰れてしまう為、繊細な表現があまり得意ではありません。

紙の上にコーティングするような仕組みなので、

・着色部分がテカりやすい
・印刷面に凹凸が発生して紙の質感が消えやすい
・線やフォントが太くなりやすい

などの傾向があります。

一方、オフセットで使われるインクは液体である分、粒よりも粒子が細かく、緻密な表現が得意です。
印刷面の凹凸もほとんどありません。

・グラデーション
・淡い色
・写真やイラストの細部
・細い線やフォントなどを美しく再現したい
・紙の質感や色味を生かしたい
・特色を使いたい

という時は、オフセット印刷を選んだ方が確実と言えるでしょう。



実際の印刷物の違い

実際に、オフセットとオンデマンドの印刷物を比べた写真がこちら。

写真の絶妙な色味について、表現力や肌の透明感の違い。
ベタ塗りにおける色の均一さや、一粒一粒のきめの細やかさの違い。
同じ線やフォントを使った時の、正確性や繊細さの違いなどが伝わるでしょうか。

離れて見るとほとんど見分けのつかない程度の違いではありますが、
印刷物が鑑賞目的である場合や、人物や食べ物の写真がメインとなる場合などは、こういった特性を承知の上で印刷方法を選ぶと良いかと思います。

小説の冊子や会社の資料など、文字やグラフの情報が伝われば十分という方は、
どちらを選んでも全く問題ありませんので、ご安心ください。



サンプルを取り寄せるのが一番確実です!

ともあれ、百聞は一見にしかず。

今回紹介させて頂いた無料サンプルは、
プリントパック」様、
booknext」様から取り寄せた物です。

実際に手に取って、是非実物を比較してみてくださいね。

サンプル内容や印刷機器は印刷会社さんによっても様々なので、実際に入稿する会社のサンプルを見て検討するのが一番確実です。



オンデマンドの印刷技術は発展途上

現在の技術では
「オンデマンド印刷よりもオフセット印刷の方が美しい」
というのが通説ですが、人類の文明で長い歴史を持つオフセットに対し、オンデマンドはここ10年ほどで急激に進化している印刷分野です。

最新の印刷機器ではオフセットと同等のクオリティを誇る物もあるそうなので、数年も経てばこの通説も覆っているかもしれません。

オンデマンド印刷で思ったような仕上がりにならなかったという方も、印刷所さんを変えてみたり、たまにはサンプルを取り寄せてみたりと、適宜最新の情報をチェックしてみてくださいね。



オンデマンド印刷の強み

印刷の美しさではオフセットに一歩遅れを取っているオンデマンドですが、オフセットの手法では対抗できない、オンデマンドならではの強みもあるんです。

それは、
1部ごとにデザインが変わっても柔軟に対応できる
という点!

例えば、1枚1枚日付や席の数字が異なるコンサートチケットや、宛先がバラバラのダイレクトメール。
トランプやタロットのようなカードセットを少部数で作りたい時、
注文する度にデザインがコロコロ変わるデータを印刷する時などは、オンデマンドの手法が打って付けという訳ですね。

数字やQRコード、住所など、特定の情報だけを次々と変えて印刷する時は特に、
「バリアブル印刷」「可変データ印刷」という名称のオプションプランが有効かもしれません。

共通デザインをオフセットで綺麗に印刷して、文字が変わる部分だけオンデマンドのバリアブル印刷で、という手法もあるので、印刷規模や必要に応じて上手く活用してみてくださいね。



まとめ

オフセット、オンデマンドそれぞれのメリットやデメリットについてきちんと伝わりましたでしょうか。

要約すると、

少部数で安さ重視の方、納期に余裕がないという方はオンデマンド印刷を。
数百、数千以上の大部数が必要な方、クオリティを大切にしたいという方はオフセット印刷を。

二つの違いについて色々と説明してきましたが、印刷会社さんや注文内容によっては、そもそも印刷方法を選べないという場合もあります。
オフセット、オンデマンドで悩む前に、まずは最終的な注文方法を一度確認するところから始めましょう!

オフセット印刷

・印刷枚数が1枚でも、必要な色それぞれに版が必要
・インクを離して(オフ)付ける(セット)のでオフセット
・数百、数千以上の大部数の時にお得
・写真やイラストなど美しい描写が得意
・一枚一枚印刷内容が変わるデータは対応できない

オンデマンド印刷

・版を作らなくても印刷可能
・必要な物を、必要なだけ、必要な時に提供できるという意味のオンデマンド
・現在はトナー印刷が主流
・数百以下の少部数の時にお得
・写真やイラストなどの繊細は表現は苦手
・一枚一枚印刷内容を簡単に変えられる

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